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2024.9.1

血管の健康を考える

朝晩は爽やかな風を感じるようになりましたがまだまだ残暑は厳しく暑い日が続きます。

また、台風が起こりやすくなり、数日の周期で天気が変わりやすくなります。気温や気圧が目まぐるしく変化するこの時季は、身体にとって大きなストレスになります。

厚生労働省は、令和5年人口動態統計月報年計(概数)を公表しました。死因順位の第1位は「がん」ですが、心疾患は第2位であり、これは全死亡者の14.7%にあたり、脳血管疾患も6.6%を占めており、合わせると実に33 万人以上の21.3%が循環器疾患で亡くなっています。脳卒中や心疾患をはじめとする循環器疾患は、日本人にとって国民病と言っても過言ではありません。

循環器疾患とは、⾎液を全⾝に循環させる臓器である⼼臓や⾎管などが正常に働かなくなる疾患のことで、⼼疾患、脳⾎管疾患などがあります。高血圧、高コレステロール、高中性脂肪、高血糖症などは動脈硬化になりやすくなり、治療が⻑期化し患者の⽣活への影響も⼤きいことから、⽣活の質(QOL)の向上も重要視されるようになっています。

心疾患には、心不全や虚血性心疾患などがあります。心不全は心臓が血液を送るポンプとしての機能を十分には果たせない状態であり、虚血性心疾患は、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管が狭まったり(狭窄)閉じたり(閉塞)して心臓への十分な血液が供給されなくなる疾患です。心不全と虚血性心疾患は密接な関連があり、生活習慣の欧米化に伴う虚血性心疾患の増加、高齢化による高血圧などにより、心不全患者は急増しています。

一般に「脳卒中」と呼ばれる「脳血管疾患」は、脳の血管の詰まりや破裂によって突然起こる疾患です。血管が詰まることで血液の流れが悪くなり起こる「脳梗塞」と、血管が破れて起こる「脳出血」と「くも膜下出血」があります。

循環器疾患のリスク要因には、肥満、喫煙、健康に影響を及ぼす量(日本酒なら1日に2合以上)の飲酒、身体活動や睡眠時間の不足、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、歯周病などがあります。生活習慣を改善することで、これらのリスク要因を減らし、発症を予防することができます。

たばこは、動脈硬化の大きな危険因子です。喫煙により血管が収縮し、血液の流れが悪くなり、血液が凝固しやすくなります。また、副流煙によって周りの人にも害が及ぶことを忘れてはいけません。

自分だけでなく身近な人の健康のためにも禁煙に取り組むようにしましょう

運動不足で筋肉量が減ると基礎代謝が悪くなり、肥満の原因となります。また、血液の循環も悪くなり、生活習慣病のリスクが高まります。

散歩・ジョギング・ラジオ体操・自転車に乗るなどの軽い運動をしましょう。特にウォーキングがオススメです。これらは、血液の流れを良くし、肥満防止につながるだけでなく、気分転換にもなります。

精神的ストレスは高血圧の原因になります。また、ストレスによって、生活が不規則になったり暴飲暴食に走ったりして、生活習慣に影響を及ぼすこともあります。ストレス因子から離れる、気分転換をするなどして、ストレスをため込まないようにしましょう。まずは睡眠をしっかりとることが大切です。

基本の栄養素として、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル(無機質)さらに食物繊維や良質の油も欠かせません。東京大学大学院医学系研究科 栄養疫学・行動栄養講座の研究グループは、1~79 歳の日本人4450 人を対象に全国規模の食事記録調査を行ない、28種類の栄養素の習慣的摂取量について、摂取量が不足や過剰である者の割合を明らかにしました。その結果、ほとんどの栄養素においては不足している一方、総脂肪と飽和脂肪酸、ナトリウム(食塩)が目標値を超えていることがわかりました。

ビタミンB群は、私たちが生きるためのエネルギーをつくるのに欠かせない栄養素です。ビタミンB群はどれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、お互い助け合いながら働きます。例えばビタミンB6、B12、葉酸は協働し、動脈硬化の原因となる「ホモシステイン」を減らします。そのためビタミンB群は一緒に摂る(複合体)のが望ましいといわれています。ビタミンB群は主にエネルギーをつくるのに大活躍しますが、他にもさまざまな働きがあります。

ビタミンCは、私たちの体の調子を整えたり、さまざまな機能を正常にする、人が生きるために必要な栄養素のひとつです。一般的には風邪や美容に有効的といわれていますがその働きは驚くほど広範囲にわたっています。水に溶けやすく、加熱すると壊れやすく、光や空気によって酸化されやすいので、一度に多く摂っても吸収効率が悪く、余剰分は体外へ排出されます。そのため毎食適量を補給することが体内での働きを潤滑にするポイントです。

ビタミンDは、脂溶性のビタミンです。水に溶けにくく、油脂に溶けやすい性質があります。食品から得られるビタミンDには、しいたけなどのきのこ類に含まれるビタミンD2(植物由来)と、鮭などの魚類や卵などに含まれるビタミンD3(動物由来)があります。また、日光を浴びることによって皮膚で合成される特徴があるビタミンです。

グルタチオンは人間の体内に広く分布するアミノ酸化合物で、強力な抗酸化作用があります。血管を傷める原因物質の1つと考えられるホモシステインの蓄積を防ぎ、酸化ストレスから血管を守ります。また相乗効果でビタミンCの抗酸化力をさらにアップ!

 

バランスの良い食事から栄養素を摂るのが理想的ですが、難しい場合には胃の負担にならない、吸収性や持続性の高い素材、原材料を使用したサプリメントで補うこともオススメです。