WING

新着情報

2023.10.1

10月はピンクリボン月間

ピンクリボン運動は、80年代にアメリカで、乳がんで亡くなられた患者さんの家族が「このような悲劇が繰り返されないように」と願いを込めてリボンを作ったことから始まりました。

毎年10月を『ピンクリボン月間』とし、「乳がんの早期発見・早期治療」を啓発・推進する取り組みが全国の行政や市民団体、企業などで実施されています。

乳がんは、乳腺の組織にできるがんで、多くの場合、母乳を乳頭まで運ぶ乳管から発生します。小葉や乳腺以外の乳房組織から発生することもあります。

日本人女性の場合、20歳過ぎから徐々に増えはじめ、40歳以上から70歳代にピークを迎えます。その他のがんと比べて比較的若い世代で多いのが特徴です。発症のピークは女性が仕事や子育てでももっとも忙しい時期であり、また一番頼りにされる時期でもあることを考えると、できるだけのことをして予防していきたいですね。

日本では毎年9万人以上が新たに乳がんに罹患しており、日本人女性が罹るがんの中でもトップです。さらに年々増加傾向にあり、現在の累積がん罹患リスクは11.2%とされています。つまり9人に1人が生涯で乳がんに罹患する計算になります。

その一方で近年は乳がんの手術が進歩し、また乳がんのタイプ分けの研究が進んで、タイプごとに効果的な治療法がわかってきました。そのため、早期の段階で適切な治療をすれば、約90パーセントが治る病気です。そこで近年勧められているのが、ブレスト・アウェアネスです。

ブレスト・アウェアネスとは、日頃から自分の乳房の状態に関心を持ち、乳房を意識する生活習慣のことです。若いうちから知識を身につけ乳房を意識し、変化を感じたら迷わず受診することが大切です。具体的には、次の①〜④のポイントを意識し実践しましょう。

乳がんの早期発見に欠かせない乳がん検診ですが、日本の乳がん検診受診率は先進国の中でも極めて低いレベルに位置しています。

乳がんの早期発見のためにも乳がんが増えはじめる40歳代になったら検診は必ず受けるようにしましょう。

検査方法のひとつである「マンモグラフィ」は乳房専門のX線検査装置のことで、しこりの影や石灰化を写し出し、早期の乳がんも発見できる優れたものですが、日本人女性に多いといわれるデンスブレスト(高濃度乳房)の場合、乳房全体が白っぽくなり、乳がんを見つけにくくなります。一方、「超音波(エコー)検査」は、胸に超音波をあてて内部からの反射波を画面に映し出すもので併用した方が乳がん発見率が上がるというデータもあります。マンモグラフィは2年に1回、超音波エコーは毎年受けるようにするといいですね。

女性が気をつけるべき疾患はがんだけではありません。日頃から身体の声に耳を傾け、自分を労わってあげましょう。