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2023.3.1

花粉症のトップシーズンから慢性炎症と健康を考える

少しずつ春の陽気を感じるようになってきましたね。気温の上昇に伴い花粉症のトップシーズンになってまいります。

2023年の花粉飛散量は、2022年と比較して多い地域が全国的にみられ、四国、近畿、関東甲信では非常に多く飛散すると予測されています。東北、関東甲信は非常に多いと予測される一方、九州は例年並のようです。花粉症の症状は人それぞれですので、対策をしておくに越したことはありません。

花粉症対策のポイントは、下記の3つです。

1.身の回りに飛散する花粉量を減らす

2.花粉の体内への侵入を防ぐ

3.花粉症の症状の軽減

身の回りに飛散する花粉量を減らすためには、屋内、とりわけ自宅内の花粉量を減らす工夫が大切です。そのためには、花粉の飛散時期には特に、こまめに掃除することが有効です。できれば、人の動きのない朝に掃除をし、掃除の排気で舞い上げる可能性もありますので、拭き掃除の方がよいかもしれません。アウターは花粉の付着しない素材(綿、化繊など、ただし静電気には注意)がお勧めです。また、部屋に入る前にはアウターに付いた花粉を落とすようにするのもいいですね。屋外の対策は、花粉の飛散の多い日の外出を控えるようにしましょう。花粉の体内への侵入を防ぐには、マスク、メガネをつけたりするのもいいですね。

花粉症有病率は増え続けており、全国的な調査では10年ごとに10%ずつ増えているそうで日本人の2人に1人は花粉症に悩んでいるといわれています。抗アレルギー成分の入ったサプリメントを摂るなどして、症状を抑えながら、次のステップで症状の出にくい身体づくりを目指しましょう。

先月の情報にもあったように、花粉症やその他のアレルギー、リウマチなどの自己免疫疾患、がん、認知症など多くの病気が炎症疾患です。

炎症対策には、生活習慣全般を見直す必要があります。

身体を動かすことはもちろんのこと、食事面では、腸の健康に必須の食物繊維、炎症を抑える力の大きいオメガ3、筋肉・関節・骨の機能を維持するたんぱく質をしっかり摂ること、炎症を助長するといわれている糖質は控えると共に、炎症のきっかけとなる酸化の害を防いでいくポリフェノールの摂取も欠かせないですね。

2022年9月に発表された100歳以上の高齢者数が9万526人。100歳以上人口は圧倒的に女性が多く、全体の約9割にのぼります。しかし平均寿命と健康寿命の差は12年。この差は日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味します。人生100年時代といわれる今、最後まで元気で自立した生活を送りたいものですね。

慶應大学百寿総合研究センターと英国ニューキャッスル大学の共同研究において、100歳長寿684名、および85〜99歳の高齢者を含む1554名を対象とする大規模な高齢者研究を実施しました。その結果、100歳長寿者は炎症の度合いが明らかに低く、どの年代においても炎症の度合いが低いグループは高いグループに比べ、生活機能や認知機能も高いことが判明しました。

それ以外の研究を見ていくと、キーワードとして、腸、炎症、たんぱく質などの言葉がよく見られます。

筋肉・関節・骨などの運動器が健全であれば、自立した生活ができるだけでなく、身体を動かすことによって、精神的・身体的なストレスも軽減し、炎症を抑えることも期待できるからこそ重要なのです。身体を動かすことが毛細血管の健康をも保つことになります。

毎年つらい花粉症を、症状を抑えるだけの対策で根本的な改善に目を向かないで放置すると、根っこが同じ他の炎症疾患につながることがあると知って、しっかりと炎症体質を変えていきましょう。