その要因としては、ワクチン接種後の時間経過による感染予防効果の低下や行動制限の緩和、エアコンの使用による屋内の換気不十分などが考えられています。しかし、わたしたちウイングはこれまで通り、確かな情報をもって対応していきたいと思います。

第７波であるオミクロン株BA.5は感染力が強く、発熱、咳、鼻水、咽頭痛などのインフルエンザのような症状が多いと報告されています。オミクロン株はウイルスの表面にある突起のスパイクたんぱく質に変異を持っていて、ワクチン接種や過去の感染によってできた免疫を回避するという特徴があります。このためワクチンを接種していても、感染しやすくなると考えられます。ワクチン接種により作られた抗体は半年以上経過すると抗体濃度は低下することが確認されています。

しかし、ワクチンは抗体を作らせるためだけではなく、キラーT細胞のようなリンパ球を活性化することもその効果として期待できます。

また、オーストラリアのメルボルン大学の研究によると、スパイクたんぱく質に変異の多いオミクロン株においても、それに感染した細胞をキラーT細胞は見分けることができ、免疫反応が起きるということがわかりました。抗体の攻撃をすり抜けたとしても、免疫は何重もの壁で私たちの身体を守っているのです。

感染者数が過去最多になったなどの不安を煽るような報道ばかりを目にすると不安になり、過度にストレスがかかります。過度なストレスを感じることで心の免疫力が低下し、身体の免疫力の低下につながってしまいます。日々流れてくる情報を正しく理解していくことが必要です。

「怖いから出かけない、人と会わない」を繰り返していると、身体自体がどんどん弱くなり、かえってリスクを増大させます。心の免疫力が低下すると身体の免疫力を低下させます。心の免疫力は自律神経のバランスを整えることで良い状態を維持できます。

「感染しない、感染しても発症しない、発症しても重症化しない」身体づくりが重要ですが、自律神経のバランスを整えることもその要素のひとつになります。

ホメオスタシスという言葉をご存知でしょうか？

ホメオスタシス（生体恒常性）とは、わたしたちが身体の外から受ける環境や内部の変化にかかわらず、身体の状態（体温・血糖・免疫など）を一定に保つことをいいます。わたしたち人間の体は、数十兆個の細胞からなっています。それが一定の営みを続けていられるのは、ホメオスタシスを維持できているおかげです。たとえばわたしたちの体温は、約36℃程度に保たれています。身体の状態を一定に保つ力は、自律神経、免疫、ホルモンで実現しますが、その中でも自律神経が整っていれば、免疫もホルモンも良い状態を保つことができます。

自律神経を整えるためには、睡眠が非常に重要になります。質のよい睡眠をとることで、自律神経を整え、ひいては免疫力を高めることにつながります。質のよい睡眠を得るための工夫を充分にしていき、この大きな波を乗り越えていきましょう。