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2022.4.1

動き出そう!

春光うららかな季節になりました。

新型コロナウイルスの感染状況はまだ注意が必要ではありますが、まん延防止等重点処置も解除され、おだやかな気候にさそわれて外出しやすくなりますね。

しかし、コロナ禍での外出自粛生活は、多くの人が運動不足に陥り、筋肉の減少や骨や関節の機能の低下、さらには人と会わないことから脳への刺激が減り認知機能への影響が出て、「巣ごもり老化」によりフレイル人口が増えたといわれています。

人は年をとると段々と体の力が弱くなり、外出する機会が減り、病気にならないまでも手助けや介護が必要となることがあります。このように心と体の働きが弱くなってきた状態をフレイル(心身の虚弱)と呼びます。2年以上におよぶコロナの流行で、そのフレイルがさらに加速したといわれています。

フレイルは「身体的衰え」「認知・心理的衰え」「社会的衰え」の3つの要素から成り立っています。認知・心理的衰えとして認知症や抑うつ傾向、社会的衰えとして引きこもりや人とのつながりの減少、そして身体的衰えとしてロコモの症状が挙げられます。これらが相互に複雑に絡み合ってフレイルが進行して寝たきり・要介護になるリスクが上がっていきます。

長期間におよぶ運動不足は足腰や心肺機能を衰えさせます。運動量が減ることで筋力が低下し、関節を守っている筋肉の筋力が落ちると関節への負担が増えます。その結果炎症が起き、痛みを引き起こします。痛みが出ると動かなくなって活動量がさらに減ります。活動しなければ食欲も体力も落ち、さらに骨への刺激も減ることで骨密度も下がり、複数の運動器がいっぺんに機能低下を起こすことになってしまいます。

この悪循環を断ち切るために3つのキーワードを覚えておきましょう。

まず「動く」こと。ウォーキングに代表される有酸素運動と筋肉を刺激する筋力トレーニングの両方が必要になります。習慣にすることが大切なので今の自分に合った強度や時間を探しながら試してみましょう。「痛みのケア」で大事なことは、動くことによって痛みが軽減できることを知ることです。少しずつできる範囲で動かしていきましょう。また栄養面でのサポートでも痛みを軽減させることができます。「栄養」は、筋肉・骨・関節の材料になり、炎症を抑え、機能を維持するために必須です。

また、コロナ禍での在宅時間の増加に伴い、テレビを見る時間やスマホやタブレット、パソコンを使用する時間も増え、目の酷使による目の機能低下が問題になっているといわれています。そのためには「休ませる」「目に必要な栄養を取り入れていく」ことは日頃のケアに欠かせまん。

厚生労働省が公表している推計によると、2020年に65歳以上の高齢者の認知症患者数は631万人といわれ、それが5年後の2025年には730万人まで増えるとされています。実に65歳以上の約5人に1人が認知症を発症している計算です。さらに、「軽度認知障害」(MCI)の人を加えると5人に2人になるとされています。要介護状態の原因では、2001年の調査だと認知症は4位でしたが2019年の調査では順位を上げ1位になってしまいました。

外出自粛により、身体が衰えて外出がつらくなり、人と会わない(社会的衰え)ことにつながり、その結果、脳への刺激が減り認知機能への影響(認知・心理的衰え)が出ることにつながります。社会活動は認知症を抑制する効果があるため、巣ごもり生活は軽度の認知症が進行しやすくなります。特に社会参加の機会が低下するとフレイルの最初の入り口になりやすいことがわかってきました。やはり日頃から人と会って会話することに尽きるといわれています。地域のコミュニティへの参加やボランティア活動、趣味のクラブに入会したり、自分に合った活動を見つけてみましょう。

ウイングワークはまさに、社会的衰え、認知・心理的衰えを予防するのに最適だと思います。