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2022.2.1

感染症・アレルギーに振り回されないために

まだ真冬の寒さが続く中、早くも花粉を感じる方が増えてきています。

日本気象協会によると、早いところでは2月上旬から飛散し始めると発表がありました。飛散量は東海から北海道は前シーズンより多く、特に北陸や関東甲信、東北、北海道では非常に多いとの予測です。

また、新型コロナウイルスの変異株のひとつであるオミクロン株の感染が拡大しています。第5波で主流であったデルタ株は肺で悪さをするため、急激に重症化し肺炎を合併することも少なくありませんでした。一方でオミクロン株は上気道で増殖しやすく、かぜ症状や花粉症の症状との見分けがつきにくくなっています。

花粉もウイルスも体内に侵入させないためにもマスクの着用、うがい、手洗いをしていきましょう。

アレルギーなどの症状は、慢性炎症がその発症にかかわっていることがわかってきました。慢性炎症は、ケガや火傷のような急性におこる炎症とは異なり、自覚症状がほとんどなく進行していきます。長期にわたって体内でくすぶり続け、アレルギーをはじめ、がんや認知症などの生活習慣病を誘発、悪化させる原因といわれています。

アレルギー症状は、花粉や未消化の食物を異物と見なし、それを撃退するために免疫機能が過剰に働く(免疫の暴走)ことで引き起こされます。過剰な免疫反応を起こさないようにするためには生活習慣の見直しが必須です。

そのため生活習慣の改善として要になるのが食事・運動・睡眠です。

忘れてはいけないのが腸のケアです。腸内環境が改善すれば全身の免疫反応に良い影響を及ぼすことがわかってきています。そのひとつの例として、制御性T細胞(Tレグ細胞)と呼ばれる免疫細胞の働きがあります。一般的な免疫細胞と違って、仲間の免疫細胞の暴走を抑えるという役割を担う細胞です。Tレグ細胞がしっかり働けば、過剰な免疫反応を抑えることが期待できます。

Tレグ細胞を増やすには、食生活がカギになります。水溶性食物繊維をしっかり摂取すると腸内細菌が短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸など)を作り出し、その影響でTレグ細胞が増えると言われています。

不快なアレルギー症状が出ないように、そして感染症になっても重症化しないように正常な免疫反応ができる身体を作っていく、体質を作っていくことがとても重要になりますね。「過剰な炎症を抑える」ことは、ほぼすべての病気の予防に関わっている大切なことです。アレルギーや感染症にかかわらず、健康寿命を伸ばすために実践してみましょう。